【トレードの基本2】優位性の第一歩!トレンドフォローで効果的なリターンを狙う

万能な優位性のあるトレード手法はない
前回の記事では、優位性のあるトレード手法があれば、それを継続的に使って統計的に利益を上げることができると説明しました。
しかし現実には、あらゆる銘柄に適用できる優位性のある万能なトレード手法は存在しません。市場の状況や銘柄の特性に応じて、異なるトレード戦略や手法を選択する必要があります。
例えば、ゴルフでは、あらゆるコースやシチュエーションに適用できる万能なクラブや打ち方は存在しません。各ホールやフェアウェイの状況、風の強さ、プレーヤーのスキルなどを考慮して、クラブの選択やショットの戦略を立てる必要があります。
つまり、ゴルフと同様に、トレードでも市場の状況や銘柄の特性に応じたトレード戦略や手法を組み合わせて適切な判断を行う必要があります。個々のトレーダーは自身のスキルや経験に基づいて戦略を構築し、リスク管理も含めた総合的なアプローチを取ることが重要です。

当サイトではステップを踏んで、優位性のあるトレードを行うためのスキルを獲得していただくことを目指しています。
最初の一歩として株価のトレンドをとらえた適切な戦略について説明します。

優位性の第一歩としてのトレンドフォロー戦略
株価が継続的に上昇している局面を上昇トレンド、逆に下降している局面を下降トレンドとよびます。またどちらともいえない局面を横ばい(レンジ)とよびます。

上昇トレンドや下降トレンドと同じ方向にエントリー(取引を始めること)して、トレンドの続く限り株を保有すれば、利益を最大化できる可能性があります。
・上昇トレンド中は「買い」でエントリー
・下降トレンド中は「売り」でエントリー
・横ばいのときは売買を控える
このようなトレード戦略をトレンドフォロー戦略(順張りじゅんばり)と呼びます。
トレンドフォロー戦略の優位性は、トレンドが継続する限り利益を最大化できる点にあります。トレンドが持続する限り、利益は増え続ける可能性があります。
また、トレンドフォロー戦略は比較的簡単なルールに基づいているため、初心者でも理解しやすいという点が利点です。

トレンドの確認方法
トレンドを確認するには、一般的に株価チャートの分析が用いられます。まずは模式図で上昇トレンドの例を示します。
株価は波のように上下を繰り返しながら動きます。そのとき、波の上下の頂点に着目します。波の上端を株価の高値、下端を株価の安値と呼びます。
この高値が切り上がり、かつ、安値も切り上がっているとき、上昇トレンドであると判断します。この状況はある期間継続します。やがて高値か安値のどちらか一方または両方が切上げなくなったとき、上昇トレンドは終了します。
下降トレンドは上下反対に考えれば結構です。すなわち、高値が切り下がり、かつ、安値も切り下がっているとき、下降トレンドであると判断します。

波の頂点の見極め方
実際の株価チャートでは、波の頂点にあたる安値と高値を見分けることが先決です。株価はチャート上ではローソク足で表示されています。波の頂点は複数本のローソク足のパターンで判断します。
判断の仕方は特にルールといったものはなく、個人の裁量で決めるしかありません。これが厄介なところで、裁量による微妙な個人差が出てくる要因となります。少なくとも各自は、その日の気分で違うといったことのないよう、再現可能な自分のルールを決めておく必要があります。

この記事では次のルールで波の頂点を決めるよう推奨します。
安値の頂点:
ローソク足の安値がその左右2本ずつの足のどの価格よりも安い足
高値の頂点:
ローソク足の高値がその左右2本ずつの足のどの価格よりも高い足

次の図は株価チャートに波を描き足し、トレンドを判断した事例です。

このようにしてトレンドを確認したら同じ方向に売買をします。その戦略がプラスの期待値を持つトレード手法の基礎となっています。