【トレードの基本1】トレードとは不確実なもの――運を排除しトレードで勝つ方法とは?

トレードの勝敗は予測不可能
トレードには多くの要素が関与しています。企業の業績やニュース、経済指標などを分析しても、市場参加者の感情や予期せぬ出来事までを予測することはできません。そのため、トレードの勝敗は予測できず、同じ状況下で同じトレードを行っても勝ち負けが変わる可能性があります。
たまたま1回のトレードで利益を得たとしても、それは運が良かっただけで、継続的に同じように利益を得ることは難しいと考えられます。勝ったときと同じように負けることもあるからです。

ところが実際に継続して利益を出しているトレーダーの方たちがいます。彼らはどのような方法を使っているのでしょうか?

統計的手法によってトレードで勝つ
ひとつひとつのトレードの勝敗を予測することはできなくても、トレードで勝つことはできます。
結論から言うと、期待値きたいちがプラスになるようなトレードをある程度の回数行うことで、統計的に利益を上げることができます。
期待値とは、1回のトレードの結果の損益の平均値のことです。一度のトレードで勝つことができなくても、プラスの期待値を持つトレードを継続的に行うことで、買ったり負けたりを繰り返しながら、利益を積み重ねることができます。
期待値がプラスであるトレードは統計的に利益が損失を上回る傾向があるからです。十分な回数を重ねると、運の傾向が減り、トータルで利益を出すことができます。

例えば、期待値がプラス3万円のトレード手法があり、同じ手法で何度もトレードを行う場合を考えましょう。途中でランダムに勝ったり負けたりします。次は10回トレードした場合の結果のイメージです。

十分な回数を重ねると、期待値に近い利益を得ることができます。たとえば100回トレードを行えば、おおよそ3万円 × 100回 = 300万円の利益が得られます。
この方法は、一夜にして大金を手にするイメージではありません。むしろ、小さな利益を地道に積み上げていくイメージです。しかし、実際にはこの方法が成功の鍵なのです。一度に大金を得ようとするやり方は、逆に一度の失敗で大金を失い、立ち直ることが難しくなってしまいます。

期待値がプラスになるトレード手法がカギ
結論として、期待値がプラスになるトレード手法を見つけて、その方法でトレードを継続すれば、理屈の上ではトレーダーとして成功することができるのです。今後、その手法を説明していきます。

その際に気をつけるポイントが2つあります。

1.同一のルールの実行
トレードは過去の条件と全く同じ状況では実行できませんが、必ず同じルールでトレードを行うことが重要です。同じルールとは、同じ判断基準でエントリーや損切りを行うことを指します。もしも取引ごとにルールを変えてしまったり、感情的な判断に左右されてしまったりすると、期待値を確保することができなくなってしまいます。一貫性のあるルールを持ち、冷静な判断を心がけましょう。

2.資金管理
一度の失敗で大金を失わないために、資金管理のルールに従うことが重要です。資金管理とは、1回のトレードの損失額を限定することです。この方法に従えば、失敗しても再チャレンジすることが可能です。今後、具体的な資金管理の方法についても詳しく説明します。