【トレードの基本8】やるべきトレードか?これから行うトレードの期待値を計算する

個々のトレードの結果はランダムであり、勝ち負けが予測できません。 しかし期待値がプラスのトレードルールがあれば、確率・統計の観点から、トレードを継続すれば、期待値に見合った利益が期待できます。

勝率のデータがあるトレード手法の期待値の計算
期待値は、勝った場合の利益、負けた場合の損失、勝率から次の式を使って計算することができます。

期待値 = 勝った場合の利益 × 勝率 – 負けた場合の損失 × (1 – 勝率)

具体例で説明します。 模式図のようにトレードしようとしています。3,880円で100株エントリーし、利益確定の目標は4,400円、損切りは3,760円としました。

勝った場合の利益 = (4,400円 ― 3,880円) × 100株 = 52,000円
負けた場合の損失 = (3,880円 ― 3,760円) × 100株 = 12,000円

このトレード手法の勝率が過去の取引結果から50%と算出されたとして期待値を計算すると次のようになります。

期待値 = 52,000円 × 0.5 – 12,000円 × ( 1 – 0.5) = 20,000円

このトレードは20,000円の利益となるので、トレードする価値があると考えます。
もし期待値がマイナスになった場合は、トレードは避けるべきだと考えます。

勝率のデータが不明な場合はリスクリワードで評価する
勝率のデータが不明な場合は、リスクリワードを用いてトレードを評価します。リスクリワードとは、トレードでのリスク(損失)を1とした場合のリワード(利益)の比率です。
リスクリワードは、以下の式で計算されます。

リスクリワード = 勝った場合の利益 ÷ 負けた場合の損失

例えば、勝った場合の利益が52,000円で負けた場合の損失が12,000円だった場合、リスクリワードは次のように計算されます。

リスクリワード = 52,000円 ÷ 12,000円 ≈ 4.33

リスクリワードの値が大きいほど、利益を出す可能性が高いと判断できます。期待値をプラスにするためには、必要な勝率を考慮することが重要です。必要な勝率は、次の式で計算できます。

必要勝率 = 1 ÷ (リスクリワード + 1)

例えば、リスクリワードが4.33の場合、必要勝率は0.1875となります。この場合、比較的低い勝率でも期待値をプラスにすることができるため、非常に有利と言えます。
以下に、主なリスクリワードと必要勝率の関係を示します。トレードするときは、リスクリワード = 2.0 以上であることを推奨します。

リスクリワード = 3.0 の場合、必要勝率 = 0.250 (25.0%)
リスクリワード = 2.0 の場合、必要勝率 = 0.333 (33.3%)
リスクリワード = 1.0 の場合、必要勝率 = 0.500 (50.0%)
リスクリワード = 0.5 の場合、必要勝率 = 0.667 (66.7%)